カンハヌル『아가미』の荒い韓国語|욕・悪口・Fワードの基本用語

💙作品から学ぶ
レベル:初中級|TOPIK 2–3

(試験に罵り言葉は出ません)

アニメ映画『아가미(Gill)』でカンハヌル演じるカンハ(강하)は、とにかく口が悪い。

씨발、새끼、꺼져……。

とはいっても、ただ口が悪いやつ、というわけじゃないです。

カンハの言葉遣いが荒い(말투가 거칠다)のは、キャラクターの置かれた状況そのものを表しているように感じます。

カンハにはつらい家庭の事情があり、心がずっと張り詰めている。そのせいか、些細なことでも、その緊張の糸がぱちんとはじけるように怒り、心の優しさとはうらはらに強い言葉が飛び出してしまうのです。

というわけで、今回は数ある韓国語の罵り言葉(욕)のうち、ドラマや映画の理解に役立ちそうなものを一部紹介したいと思います💡(韓国語の罵り言葉は本当に数が多いのでww)

※この記事には韓国語の욕(悪態・罵倒語・卑語)がそのまま登場します。自分で使うためではなく、あくまで映画やドラマを見たときにニュアンスを理解するための語彙として紹介します笑

知っておきたい韓国語の욕(罵り言葉)[初級~中級]

韓国ドラマや映画を見ていると、教科書にはまず出てこない言葉がかなり聞こえてきますが、

字幕では同じ「くそ」「この野郎」でも、韓国語では言葉ごとに強さやニュアンスが違います。

表現だいたいの意味言葉の汚さ相手へのキツさ
아이씨あーもう/くそっ★★★
씨발fuck/くそ★★★★★★〜★★★★★
새끼やつ/野郎★★★★★★★★
개새끼クソ野郎★★★★★★★★★★
빌어먹을くそったれの/忌々しい★★★★★★
처먹다食いやがる/食らう★★★★★★★
꺼져消えろ/失せろ★★★★★★
이 자식/저 자식この野郎/あの野郎★★★★★
개자식クソ野郎★★★★★★★★
놈やつ/野郎★★★★〜★★★
개소리たわごと/くだらない話★★★★★★★

ここで大事なのは、★が多いからといって必ずしも「相手への攻撃」が強いとは限らないこと。

たとえば 씨발! と一人で吐き捨てるのと、相手に向かって 씨발놈아! と言うのでは、同じ씨발でも攻撃性はまったく違うんです。

逆に 꺼져 は単語自体に性的・卑俗な意味があるわけではないのですが、人に直接言えばかなり強くなります。

『아가미』で忘れられない「빌어먹을 물고기 새끼」

『아가미』の中でも特に耳に残ったのが、

빌어먹을 물고기 새끼
(ピロモグル ムルコギ セッキ)

という言葉。

直訳すると、

「この忌々しい魚野郎」
「このクソったれの魚め」

くらい。

빌어먹을 は「くそったれの」「忌々しい」。

そしてポイントは 새끼。

새끼は本来、「動物の子」という意味を持つ普通の単語でもある。

しかし人や何かを罵るとき、

이 새끼
この野郎/こいつ

저 새끼
あの野郎/あいつ

미친 새끼
イカれた野郎

개새끼
犬野郎/クソ野郎

のように使われます。

とくにこの🐶のセッキはかなり強めの罵倒語です。

ただし、물고기 새끼 の場合は、本来「魚の子」という意味にもなるのですが、ここでは 빌어먹을(くそったれの/忌々しい) と一緒に使われているので、

「このクソ魚め」「この忌々しい魚野郎」

といった意味合いになっています🐟


처먹다の「처-」って何?

もう一つ、知っていると韓国作品がぐっと聞き取りやすくなるのが 처-。

普通の

먹다=食べる

に처-がつくと、

처먹다=食いやがる/食らう

という非常にぞんざいな表現になる。

同じように、

처마시다
飲みやがる/がぶ飲みする

처자다
寝やがる/寝くさる

처웃다
ヘラヘラ笑いやがる

など、「~しやがる」という訳が近いですね。

字幕では単に「食べる」「飲む」と訳されてしまうこともあるので、知っていると登場人物の口調の荒さがかなり分かると思います。


꺼져は「汚い単語」ではないのにかなりキツい

꺼져!

も韓国映画・ドラマで非常によく聞きます。

カンハもゴンに向かって言っていました。

意味は、

「消えろ」
「失せろ」
「あっち行け」

英語なら文脈によって Get lost. / Fuck off. に近い。

씨발のような露骨な卑語ではないため「言葉の汚さ」自体はそれほど高くないのですが、

誰かに面と向かって言うとかなり攻撃的。

韓国語の욕を理解するときは、単語が「汚いか」だけでなく、誰に向かってどう使っているかが重要な場合があるんですね。


아이씨は씨발と同じ?

映画やドラマで、

아이씨!

もよく聞く。

耳には「アイッシ!」「アイシ!」のように聞こえるため、SNSなどでは英字で「IC」と書かれることもある。

意味は「あーもう!」「ちっ」「くそっ」。

ただし、

아이씨<씨발

と完全に同じではなく、씨발のほうがはるかに露骨で汚いです💦

아이씨は苛立ちを表す比較的軽めの悪態として使われることが多いです。

ちなみに、씨발で誤解を受けた、というテイで番組が進んでしまった、ハヌルの発言解説はこちら。


이 자식、저 자식、개자식

자식は本来「子ども・子」という意味。

漢字は【子息】です。

ところが、

이 자식!
この野郎!

저 자식
あの野郎

のように使うと、ぞんざいな呼び方になる。

さらに、

개자식

になると「クソ野郎」。

새끼と似たような感じですが、一般的には 새끼のほうがもっと卑俗な響きが強いです。

普通の単語だったものが、言い方や組み合わせによって悪口になるところが韓国語の面白いところでもある。

「あちらの御子息」「こちらの御子息」を「저 자식」「이 자식」と言ったらだめですw
正しくは「저쪽 아드님」「이쪽 아드님」です。


놈と넘

놈もドラマでよく聞く。

나쁜 놈
悪いやつ

미친 놈
イカれたやつ

이놈
こいつ

「やつ」「野郎」に近い語で、文脈によって軽いものからかなり攻撃的なものまで幅がある。

ネットなどでは発音に寄せた 넘 という表記を見かけることもある。


지가は悪口ではない

荒い会話でよく聞くため、욕のように感じることがあるのが 지가。

これは基本的に

자기가 → 지가

と縮まった口語形。

たとえば、

지가 뭔데?
自分、何様なんだよ?

지가 해놓고…
自分でやったくせに…

のように使われる。

지가そのものが汚い言葉なのではなく、ぞんざいな会話や相手を非難する場面に出てきやすい表現と覚えておくといいと思います。


개소리 하고 있네|「くだらねえこと言ってんな」

개소리 は直訳すると「犬の声」ですが、俗語では

「たわごと」「くだらない話」「bullshit」

という意味。

そのため、

개소리 하고 있네.

は

「くだらねえこと言ってんな」
「何わけわかんねえこと言ってんだ」

くらいのかなり荒い表現になります。

似た 헛소리(たわごと) よりも、개소리 のほうがずっと口が悪い。

また、

뭔 개소리야?

なら、

「何くだらねえこと言ってんだよ?」

という感じです。

ここでの 하고 있네 には、単なる「~しているね」ではなく、呆れ・軽蔑・嘲笑のニュアンスが入る。

Fワードそのものではないが、映画やドラマでは喧嘩口調としてよく出てくる言い方です。


Clementine’s note 🍊

カンハヌルがこれほど次々と욕を吐く役、初めてかも。

今回の『아가미(Gill)』のテーマは全然そこじゃないのに、ハヌルの声で次々と욕が聞けるのが新鮮で、別の楽しみ方ができたのは嬉しい副産物でした🤭だって、욕なんて一番縁がなさそうなハヌルですから。

しかも今回はアニメということで、顔が見えないぶん、ハヌルの善良な顔から少し離れて、カンハという人物の荒っぽさをそのまま受け取れたのも良かったかなと思います。

ゴンに複雑な感情を持ち、心が張り詰めた状態で、ほんの些細なことでいちいちぷつんと切れるカンハ。

ハヌルも、演技であっても「怒りを表に出しつづける」と疲れたり気が立ったりしないのかな~なんて思ったり。いつか聞いてみたいものです。

出典:『아가미(Gill)』

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